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平成30年/久保田光一 天祖神社上空からのドローン撮影


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天祖神社 蔵


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"昭和八年九月 拝殿より参道を望む" 天祖神社 蔵


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●プロジェクト

杜の再生・ダイモン復元プロジェクト

1935年(昭和10年)東武東上線に「武蔵常盤」(1951年(昭和26年)に「ときわ台」に改称)の駅が開業されました。この駅名は「常磐なる松」当社の松林にちなんでつけられました。木々に囲まれた神社のたたずまいは、すでに江戸時代の文人大田南畝(1749-1823)によって「神さびたり」と江戸地誌見 聞記『武江披砂』に記されています。

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文化財シリーズ第77集 写真は語る 総集編 P86 板橋区教育委員会より

神社の入り口は現在よりも石神井川よりに位置し、錠前のような地形で約200m近くの参道がありました。参道は松・杉を主体とした樹木が繁茂し、遠方からも際立つ昼でも暗い杜だったといいます。神社の入口には四坪の敷地をもった1753年(宝暦三年)に建立された庚申塔があり、シンボルツリー「えのみの木」があった場所は、入口を示すダイモン(大門)と称されていました。

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文化財シリーズ第77集 写真は語る 総集編 P88 板橋区教育委員会より
"東武直營 常盤臺住宅地御案内" 東武鐡道株式會社


1950年(昭和24年)4月11日に、この杜の開拓がはじまり、1951年(昭和25年)9月には、神社のすぐそばにときわ台南口が開業、開拓された土地に住宅地と商店街ができました。駅前という鎮座地ながら、神社の境内には、いまなおかつての武蔵野の杜の面影が色濃く残っています。

このプロジェクトは、杜の整備と、境内の井戸水でせせらぎや水場を作るなど、鎮守の杜の保存と再生を目指し、かつての神社の入口「ダイモン」の復元を計画しています。


    メンバー
    新井 信行(天祖神社 講元)
    小林 美香(天祖神社 宮司)
    小林 徹
    矢古宇 朋江
    山口 茜
    矢古宇 悠人
    宮本 紗衣
    藤田 優里



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近況報告

 2021年9月の末に、初めてのミーティングを行いました。このミーティングでは今まで漠然としていたプロジェクト計画をより明確にすることができました。
 鎮守の杜は地域の方々や参拝にいらした方々にとっての憩いの場にしたいという想いがあります。そこで現在の富士山遥拝所と禁足地となっているその周辺の杜を整備し、富士山を遥拝していただくだけでなく、杜の中に入って神社の歴史を知っていただくことができる場所にしたいと考えています。また、富士山遥拝所を整備するにあたり、板橋に残された富士講や榛名講、大山講など山岳信仰について理解を深めていくことを計画しました。
 他にも、参道横の井戸から溢れている井戸水を利用してせせらぎを作ることも計画しています。子ども達がどんぐりを拾うなどして自然に親しむことができたり、訪れた人が水のせせらぎによって癒されるような境内になれば…と思っています。

秋も深まり、境内の銀杏を収穫することができました。この杜の恵みを皆様にもお分けできるように準備を進めています。
少しずつではありますが、プロジェクトが動き始め、形になりつつあります。今後は地域の方などプロジェクトにご協力いただける方からのお力もお借りして更に計画を練り、プロジェクトの実現に向かっていきたいと思います。

2021年11月20日 藤田優里