板橋ゆかりの文化・芸術を発信していくプロジェクトです。人々の暮らしを支えるライフラインは、美しく楽しくあるべきだと考えています。人の営みの中にさりげなくアートの芽を植えて、子どもから大人まで様々な人たちが参加できる、心豊かになる取り組みを積み重ねていきます。
メンバー
加藤 未礼(おおきな木)
林 よしえ(TREE²)
和田 麻友子
和田 紗代子
佐藤 あづき
須藤 緋奈子
加藤 悠眞
2025年(令和7年)1月12日、「どんと焼き」が執り行われました。今年のどんと焼きでは、女子美術大学の学生で結成されたチーム八咫鏡が中心となり、参拝者にお焚き上げの意味を正しく理解してもらうための新たな試みがなされました。
お焚き上げの炎から生まれた「どんちゃん・やきちゃん」というキャラクターが誕生。参拝者へ配布された「新年のしおり」にどんちゃん・やきちゃんによるお焚き上げの案内を掲載することで、お焚き上げの意味への関心を高める工夫が凝らされました。
お正月飾りは多様化して装飾の豪華なものが増えている分、プラスチック製品や、陶器・針金などの燃えない物もつけられており、預かった際にそのまま燃やすことができないのが課題でした。そこで、どんと焼き当日には、参拝者が自分で燃やせるものと燃やせないものを分別できるブースを設置し、神職・巫女もどんちゃん・やきちゃんのバッジをつけて分類を呼びかけました。ご自身で分別していただくことによってSDGs12番目の目標「つくる責任・つかう責任」に沿って、持続可能な社会を意識していただくことができたのではないかと感じます。
分別に協力してくださった参拝者には、どんちゃん・やきちゃんのオリジナルステッカーをプレゼントしました。
2025年(令和7年)のお正月より、地元在住の美術作家・山口藍さんによる干支絵馬(初穂料1,200円)の頒布が始まりました。絵馬の表面には蛇に乗る巫女さんが描かれ、裏面には巴紋やおみくじ、狛犬など神社のモチーフが散りばめられています。
〈山口藍さんからのコメント〉
新たに始めるに相応しい巳年より、巳年生まれの私が絵馬の制作を担わせていただくこととなりました。以前よりご縁があって巫女さんのお姿を描いた御朱印帳を作らせていただきましたが、今回の絵馬にもそんな巫女さんを描いております。氏子としての私の中で巫女さんとの細やかな物語を紡ぐかの如く、これから時をかけて共にこの杜を巡り、その道程の出来事を年に一度の絵馬に描いて参ろうと思っております。
山口藍さんは、天祖神社の御朱印帳のデザインも手がけています。松を背景に、阿吽(あ・うん)の巫女が描かれた「待つ時はみこと」という作品です。2019年(平成31年)のお正月には、山口藍さんによる樹脂シートを用いたワークショップが行われ、まちやの窓一面に凛とした巫女の姿が描かれました。
2025年(令和7年)も「新年のしおり」をご参拝の皆様にお配りしました。
表紙を飾る、鏡餅を思わせる愛らしい猫の表紙は岩井 純子様に描いていただきました。中面には神社境内での催しや、杜のまちやの情報などが掲載されています。
長いときでは、1時間以上待つこともある三が日。待ち時間に少しでも楽しんでいただけるよう、毎年工夫をしています。
2024年(令和6年)8月3日〜12日の期間、「ボローにゃ!〜2021年入選4人展〜」が杜のまちやで開催されました。板橋区では、2023年(令和3年)以降、毎年8月にボローニャ国際絵本原画展の関連展示「ボローニャ絵本さんぽ」を区内のギャラリースペースで実施しています
今回参加されたのは、あお木たかこさん、いわさき智沙さん、umecoさん、ホリベクミコさんの4名。2022年(令和5年)の展示にも参加されていた作家さんたちです。個性豊かなねこの作品が来場者を出迎えました。
今年も様々なアートが神社を彩りました。
ときわ台天祖神社で頒布している御朱印は、アートプロジェクトの一環として、美術大学出身の巫女がデザインに携わっています。昨年までは季節の植物や行事にちなんだデザインを月ごとにあしらっていましたが、今年の御朱印には伊勢参詣曼荼羅(伊勢両宮曼荼羅)から描き起こしたものがデザインされています。
参詣曼荼羅とは16世紀半ばから17世紀末ころまで社寺への参詣を目的に描かれた絵図で、諸国を巡る御師たちがこれを携えて神宮の様子を説き、参詣を促したものとされています。参詣曼荼羅には、貴族や庶民にいたるまで多くの参詣者の姿が描かれています。
三が日には、ご参拝の皆様にお正月のしおりを配布しました。このしおりは、1枚の紙に切り込みを入れて折り畳み冊子にしています。ご参拝の皆様がたくさんお越しくださり、舞台裏では自転車操業でした。
2022年(令和4年)の祭礼では、常盤色が鮮やかなうちわと手ぬぐいを撤下品としてお渡ししました。現在の「ときわ台」という駅名は、東武東上線に駅が開業した当初「武蔵常盤」という名前でした。木々に囲まれた鎮守の森の「常磐なる松」にちなんで名付けられたそうです。
うちわと手ぬぐいは、板橋区在住のアーティスト髙橋信雅さんとデザイナー大越あすかさんにデザインをしていただきました。うちわの柄部分の社号の焼き印は、ひとつひとつ手作業で押しています。
板橋区はイタリア・ボローニャ市と友好都市交流協定を締結しており、区立美術館では毎年ボローニャ国際絵本原画展が開催されています。『絵本のまち板橋』の拠点のひとつとして、杜のまちやでは、区内とその周辺で開催されるボローニャ展関連イベント『ボローニャ絵本さんぽ』の展示を行っています。
板橋区公式ホームページ「絵本のまち板橋 とは」
2021年(令和3年)7月には『杜の絵本party』展が開催されました。2023年(令和5年)8月からは『Hello From 2021 Bologna Friends 〜2021年ボローニャ展入選9人展〜』の開催が予定されています。
天祖神社でも、オリジナルの絵本(七五三ノートブック)を製作し、七五三のお祝い子さんに差し上げています。
境内に貼ってある、マスクをつけた鳥獣戯画のポスターや月代わりする御朱印の図柄をご存知じでしょうか?
「かわいい!」
新型コロナウイルスが蔓延し始めた去年のお正月、境内ではそのような声をいただきました。うさぎとかえるがマスクをつけてソーシャルディスタンスをしているポスターや『マスクをしませう』といううさぎのポスターがあります。
また、御朱印は季節の植物や事柄に因んだデザインスタンプを月ごとにあしらっています。これらはときわ台天祖神社に勤務しながら美術大学に通う巫女たちが取り組んでいる「アートプロジェクト」の一環です。
アートプロジェクトとは、意匠や芸術を通してときわ台をより活性化させようというプロジェクトです。最近では南畝コーヒーのパッケージデザインをリニューアルしたり、鳥獣戯画のオマージュポスター最新作「駐車禁止」を制作しています。皆さんもポスターに注目したり、今月の御朱印はどんな図柄かな?と是非アートプロジェクトを楽しんでください。
2021年11月20日 和田麻友子
常盤台南口商店会さんから「東京オリンピック・パラリンピックが終わったあと、バナーを新しく作り替えたい」と、ご依頼を受けました。
バナーの表面は、昔から商店街にいる方たちにインタビューをして得た『ちょっと昔のときわ台の話』を掲載しました。裏には、『木のイラスト』を配置しました。この場所は昔、ときわ台天祖神社の境内でした。そして、戦後にこの場を切り拓いてこの商店街が生まれました。当時、200本ほどの木がこの場所に植わっていたそうです。ここから、人と文化が育ち、土が肥やされ、木が育つ。そんなイメージをこのバナーに表現しています。
通勤時に急ぎ足で通りすがる人たち、神社にお参りに来る人たち、商店街に買い物、食事に来る人たち・・・そうしたこの場を通過していく方たちの毎日の風景の中に、存在するこのバナー。昔のエピソードに愛着が湧いたり、木のイラストを見て、境内のエネルギーを感じたり、何か少しでも感じることがあったらうれしいと考えています。
2021年9月25日 加藤未礼
制作メンバー:加藤 未礼(おおきな木)、 林 よしえ(TREE²)、 田村 緑、 田村 裕一、 加藤 悠眞